「組織に潜む暗黙のルール」(最終回)
「本当の問題解決は出来ない」
「安定した組織」では「問題解決」が出来なくなっていきます。
なぜならば、組織で起こる様々な問題を解決するためには、「組織に
ある仕組みやシステム」を変える必要があるのです。ところがこれ
を変えるとなると「組織にある仕組みやシステム」を導入した人、
またはそれを承認した人に対してある意味では「挑戦状」を叩きつ
けることになります。
当然それを進んで了解する人もいることでしょう。しかし、多くの
場合組織のどこかで「波紋」が生まれます。
しかし、「仕事のやり方は変えたくない」「自分の立場を守りたい」
「組織の安定」を優先するのであれば、「波紋」は避けたいのは当然
で、それならば「本質的な問題解決」は先送りするというのがまた
「大人の判断」なのです。
「組織に潜む暗黙のルール」についてお話をしてきましたが、こ
れらの「最大の問題点」は「顧客満足」を得るためのルールではな
く、「自分と上司の満足」を得る為のルールだということです。皆様
の組織にもこのようなルールが蔓延していないでしょうか?
「組織に潜む暗黙のルール」(第3回)
「安定した組織」と「大人の判断」
組織にはもともと「変わろうとしない力」が働いていて、そして
その中で「自分の立場を守る仕事」が最優先課題となるために、放
っておくと本来中長期的に必要となる活動が疎かになってしまいま
す。つまり、中長期視点を持つことよりも「自分の立場」が大事で
将来に向けてチャレンジすること自体がリスク
であるという結論に至ってしまいます。またそのような組織からす
ると
その組織の中か近所に「チャレンジする人」がいることもまたリ
スク
なのです。チャレンジすることは実際必要でも、不確実性の高い結
末は「組織の安定」という視点からみれば、チャレンジしたくない
し、しても欲しくないということなのです。
そのような組織ではあらゆる局面で、
組織を揺るがすチャレンジは極力しない
指示のないことは積極的に行わない
という「大人の判断」が求められるようになってしまうのです。
(山田 亮)
「組織に潜む暗黙のルール」(第2回)
「自分の立場を守る仕事」
組織の目指すものが明確になっていなかったり、または共有でき
ていないときに特に陥りやすいのが、「自分の立場を守る仕事優先の
集団」になってしまうことです。
本来会社が目指す方向性に沿って組織が作られ、各人がやるべき
ことが明確になり、その目的に向かって全員の日常業務があるはず
なのですが、その方向性が明確でないと、「短期的な売上に直結する
こと」以外に、何をすれば良いかがわからなくなります。また多く
の会社ではトップ陣の誰かに突然「スイッチ」が入り、トップダウ
ン的に思いつきのような「施策」が命令されます。
そうなると「短期的売上に直結すること」と「指示されたことを
忠実にこなすこと」こそが「自分の立場を守ること」になり、最優
先課題になってしまいます。しかしこれらの仕事は
中長期的な視点と本質を考えること
が欠如した「作業的な仕事」なのです。そして結果として「やって
いるフリ」による「生産性低下」や「指示待ち」による「自発性の
欠如」を生み出すことにもなるのですが、最終的には「立場は守ら
れる」ことにもなってしまうのです。(山田 亮)
「組織に潜む暗黙のルール」(第1回)
「仕事のやり方は変えたくない」
会社が環境変化に対応し、将来に向けて成長していくためには、
会社は変わらなければなりません。ところが「新たな経営計画書」
を作って実行しようとしてみても、なかなかそれだけでは会社が変
わっていきません。組織には「暗黙のルール」があるのです。
この「暗黙のルール」を4回シリーズで考えてみたいと思います。
多くの人は誰でも自ら進んで「変わりたい」とは思いません。今
までに苦労して身に付けた自分なりの「仕事の進め方」で、結果を
出したり褒められたりすることは
誰でもとても心地が良い
のです。変化する過程というのはどうしても「安定」しません。で
すから「自分が変わる必要性」に迫られることがなるべくないよう
に、組織に働きかけます。しかし、心の底では会社と自分の将来に
「不安」があって「会社は変わって欲しい」けれど、自分は変わり
たくはないのです。
その考え方が多くの人に蔓延してくると「変わりたくない変われな
い集団」となってしまい、会社や組織がその場から身動きが取れな
い状況が生み出されます。組織には強烈に「変わろうとしない力」
が働いているのです。(山田 亮)
「『新しい夜明け』に備えるマネジメント体制の変革」 最終回
われわれが現在取り組むべき課題は「ミドルアップダウンマネジ
メントへの変革」と記してきました。
では、具体的にどのように取り組んでいけばいいのか。
マネジメントスタイル変革の必要性と心構えは十分に認識された
という前提で
1.まずミドルが全社の方針(目標と施策)をトップ、あるいは
上位者とのコミュニケーションの元十分に理解する
2.その達成のためにミドルが自部門と自分の役割を明確にする。
3.自部門の役割を果たすために、その内容、意義、各人の役割
を十分なコミュニケーションの元に自部門の構成員に説明し
議論する
4.反対や質問に関しては歓迎し、押さえつけるのではなく共に
考える
5.進捗をチェックし、困難に直面している部下にアドバイスし、
鼓舞し、必要であればトップにサポートを求める
というステップで取り組みます。
「その方法ならすでにやっている」とおっしゃる企業の方も多いと
思います。やり方そのものは特に目新しいものではありません。大
きく異なるのはミドルを中心にした「目的意識と心構え」です。
そして、「元に戻ろうとする力」が働く中で、できるまでやり続け
る力の源はやはりトップになります。
結局はトップが不屈の意思でマネジメントスタイルを変えていこ
うとすること。その熱き思いが成功の鍵ということになるのです。


